神々に出会う即興のワークショップ「うぶすな」

posted on 2013.6.28 / text by Riken KOMATSU


 

今年正月、いわき市の永崎海岸で開かれた即興初めイベント「うぶなみ」が、小名浜本町通り芸術祭の公式ワークショップとして復活する。7月7日、七夕の朝に開催される「うぶすな」。朝の浜辺で行われる即興表現のワークショップに、あなたもぜひ参加してみて欲しい。

 

うぶすなの中身は、永崎海岸の砂浜に2m×10mの壁を用意し、そこに絵を描いたり、言葉を書いたり、紙を貼ってコラージュしたり、それぞれが自由な表現をぶつけ、壁画を作るというもの。背景は海。波の音やカモメの鳴き声を聞きながら、どのような即興表現が繰り広げられるのだろうか。

 

うぶすな(産土)という名前は、そもそもは、神道における土地の守護神「産土神(うぶすながみ)」に由来する。人が生まれる前から死んだ後までを守護する神とされ、他所に移動しても一生を通じて守護してくれると信じられている。

 

主催者のuntangle.は、前回と今回のイベントの違いについてこう語る。「前回は、震災のあった海に、“表現の場” や “祈りの場” としての意味を付与するようなイベントにできればと考えていました。海水浴場として使われていない時期でしたので、新しい意味づけができればと」。

 

それに対し、今回は、その土地にもともとあったものに耳を傾けることに重点を置いているという。「即興表現なので自由に書いてもいいのですが、そこにある土地と一体になって表現していく。もしかすると、それはその土地の産土神とのコラボレーションになるかもしれませんね」とuntangle.。

 

cultureとは『耕す』という言葉に語源があるそうだ。初めは土地を耕す意味で用いられ、転じて『心を耕す』という意味がつき、「文化」という意味を持つようになった。もともと、文化とは「土」と結びつきの強い言葉だったのだ。「うぶすな(産土)」は、どのような大地を作るのだろう。

 

生まれたての土。その土は、やがて十分な養分を蓄え、誰かが蒔いていくであろう種に栄養を与え、色とりどりの花を咲かせる。そのファーストステップとしての土づくりというべき「産土」。ぜひ、その瞬間に立ちあってみてはどうだろうか。あなたも、永崎海岸の産土神に出会えるかもしれない。

 

 

information

小名浜本町通り芸術祭 即興ワークショップ「うぶすな」

日時:2013年7月7日(日)

時間:7:00〜10:00

集合場所:永崎海岸 砂浜

主宰:からみほぐし研究所

備考:雨天中止、要早起き

費用:¥500

 

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