2012年

8月

26日

小名浜の新たな観光資源を発掘するバスツアー

posted on 2012.8.26 / text & photo by Riken KOMATSU


 

小名浜の新しい観光資源を掘り起こそうという企画「小名浜工場夜景撮影バスツアー」が8月25日、いわき市小名浜を舞台に開催された。観光地小名浜の昼の表情とはうってかわって、非日常の風景が垣間見える小名浜の夜。参加者たちはどのように町の風景を切り取ったのだろうか。イベントを振り返る。


バスツアーとしては3回目の開催となる「小名浜工場夜景撮影バスツアー」。今回より、いわき市の「地域観光力向上支援事業」にも選ばれ、新常磐交通のサポートも加わるなど、前回よりもさらにスケールアップして行われた。今回の参加者は15人。普段から工場夜景を撮影している人もいれば、地域の観光に携わる人、撮影よりもバスツアーを楽しみに参加した人など参加の動機も目的もさまざまだが、小名浜の夜の表情を楽しみたいという思いは同じだ。

 

ツアーはおよそ3時間。小名浜のオルタナティブスペースUDOK.を出発点に、三崎公園展望台、小名浜港を巡り、小名浜臨海工業地帯へと移動し、数カ所の撮影スポットを巡る。最初の撮影スポット、三崎公園展望台では、小名浜の町越しの工場夜景を望むことができる。町の明かりの奥に点々と灯る工場の灯り。初めて見る参加者も多く、展望台では「おお!」という歓声も聞こえた。

 

その後、小名浜港1号埠頭などを巡り、海越しのアクアマリンなどを狙った後、小名浜工場夜景の名所「日本海水小名浜工場」で下車。大迫力の工場夜景を前に、参加者たちは静かな興奮を感じながら、普段味わえない大スケールの夜景をカメラに収めた。低く唸るような音を出す発動機。もくもくと水蒸気を出し続ける煙突。そして、白銀のパネルに覆われた建物。まるで宇宙基地のような存在感に、参加者たちも興奮の声をあげていた。

 

大剣公園展望台から工場エリアを望む一行。夜の静かな公園に、工場の発動機とシャッター音が響き渡っていた。
大剣公園展望台から工場エリアを望む一行。夜の静かな公園に、工場の発動機とシャッター音が響き渡っていた。
日本海水小名浜工場前では30分近くの撮影時間を設けたが、想像以上に短く感じられた。
日本海水小名浜工場前では30分近くの撮影時間を設けたが、想像以上に短く感じられた。
小名浜町内のテナントビル。飲食店の看板が昭和の香りを色濃く残す。
小名浜町内のテナントビル。飲食店の看板が昭和の香りを色濃く残す。

 

一行は、その後、大剣公園展望台、藤原埠頭、東邦亜鉛小名浜工場などを経由し、小名浜辰巳町で下車。夜の小名浜の歓楽街を徒歩で巡った。おおよそ気軽にカメラを向けられる場所ではない小名浜の夜の町だが、参加者は臆することなくシャッターを切っていく。昭和の色合いを残すスナック街や、客引きが立つソープ街といった小名浜独特の夜の表情は、参加者の心に残るものだったに違いない。

 

工場夜景というと、限られた人しか興味を持たないと思う人も多いかもしれないが、そういう「マニアック」なものだからこそ、旅行代理店や自治体には到底真似のできないツアーになり得るし、その町に潜む新たな魅力を発掘することに繋がる。

 

王道的なツアーだけでなく、こうしたマニア目線での資源の掘り起こしが地域の魅力発信のカギを握るのだ。その意味では、市が市民手作りの観光をサポートする事業を始めたのは、大きな前進だと言える。

 

今回の小名浜の工場夜景ですら支援事業の対象となったのだから、各地域でそれぞれ企画される独自の町歩きツアーなども当然支援の対象になるだろう。市民が自ら観光の先頭に立つ「市民自立型」の観光を生み出していくためのいわき市の取り組みは、もっと市民に共有されていい。田舎を楽しむコツを、「自分1人の楽しみ」ではなく皆で共有し、地元の人がいちばん地元を楽しんでしまう「観光の地産地消」。どんな個性的なツアーが生まれてくるか、とても楽しみだ。

 

※小名浜工場夜景撮影バスツアーは、10月27日にも開催の予定。詳しい日程はtetoteonahamaにアップいたします。

 

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コメント: 1
  • #1

    big244 (土曜日, 01 9月 2012 10:53)

    素晴らしい企画ですね。
    私の友人も参加しておりました。